曇り空の音楽 アビー・ロードは晴れているか イメージ
どうしてか、空が曇っているとレコード屋へ行きたくなる。
音楽がレコードという物質と分かち難く存在していたこと、
温度や湿度や天候や街の様子とひとつながりになっていたこと、
それらを記憶にとどめておかないと、音楽はのこっても、
曇り空の下にあったものは消えてしまうような気がしてならない。
消えてしまう前にここに書きのこしておきたい──。

Profile

吉田篤弘(よしだあつひろ)

作家。1962年、東京都生まれ。
少年時代からレコードを買い集め、小説家としてのデビュー作『フィンガーボウルの話のつづき』では、ビートルズのホワイト・アルバムを題材にしている。主な著書に『つむじ風食堂の夜』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『神様のいる街』『あること、ないこと』『おやすみ、東京』『おるもすと』などがある。