第9回 誘導瞑想でインナートリップ

 スピリチュアル系セミナーでよく登場するのが「誘導瞑想」です。これまでも数々の誘導瞑想で、過去生の自分の臨終に立ち会ったり、インナーチャイルドを慰めたり、宇宙人と会ってアドバイスをもらったり、自分のインナーチャイルドに会ったり、浮かばれない霊を救出したり、プチトリップ体験いたしました。半ば空想が混じっているかもしれませんが......なかなか旅行に行けないので、誘導瞑想は手軽に異世界を感じられるリフレッシュの手段でもあります。
 先日伺ったのは、セドナのヒーラー、クレッグ・ジュンジュラスさんのセミナー「古代の叡智」です。これまでにも度々クレッグさんのセッションを受けさせていただいていますが、やはり説得力のある霊厳としたルックスと、「形而上学教師・著述家・ヒーラー」という素敵な肩書き、音楽や文学など様々な才能を持っているところに惹かれます。
 セミナー参加者は約20名、9割が女性で、何度も参加しているスピリチュアル上級者といった雰囲気。
「隠された叡智を知れる時代が来ています。瞑想によってアトランティス、レムリア、エジプトにアクセスすることができます」とクレッグさんがおっしゃった単語にテンションが上がります。この業界では、誰もがアトランティスやレムリア、エジプトとつながりを持ちたい願望があるように思います。アトランティスは物質的でレムリアは精神的なので、レムリアの方が人気です。
「古代の叡智にアクセスするには3つの方法があります」とクレッグさん。
「1つは他の人が書いた本やインターネットなどの文章を読んで情報を得るやり方。マインドをオープンにして読んで、興味が引かれるところに印を付けます。魂の奥の、古代の叡智の部分が反応します」
 私などは古代への憧れが強すぎて、古代文明の本を読んだり骨董を鑑賞するたび、エジプトからマヤ、縄文にメヘルガルなどほぼ全てに反応してしまうのですが......。クレッグさんは、他の人の古代の本を読む時に、その人自身の思い込みやブロックを感じることがあると、それを迂回して読む、という高度な読書法をされているそうです。
「2つ目はセルプヒプノシス。瞑想で体外離脱します。私たちは自分自身の見方を成長させないとなりません。地球の上にもエネルギーの膜がかかっているのでベールを超えて眺めます」
 いきなりレベルが高いです......。ちょうど同じビルの会議室の隣や下の部屋では、超難関中学、桜蔭中学の公開模試が行われていました。奇しくもスピリチュアルと受験勉強の高偏差値セミナーが隣り合っています。そして時々マイクが混線するのか「あっ!」「うっ!」と大音量の叫びがスピーカーから聞こえてきて、最初クレッグさんのハイアーセルフが叫んでいるのかと勘違いをしていました。失礼しました。クレッグさんはマイクに向かって「シャラップ!」と叫んでいました。古代の叡智の話に戻ります。
「3つ目は予言を読むことです。隠されていた古代の文書が発見されると、そこには予言的な内容などが書かれています。でも、考古学はみなさんを真実から遠ざけています。人間がパワーを持つと古い歴史を消して書き換えようとします」
 クレッグさんが興味を持っているのは、1700年ほど前にヒマラヤのグルによって書かれた予言だそうで、アメリカにまだ発見されていない予言が埋まっている説があるとか。
 他に古代の叡智とつながる方法としては、クリスタルを身に着ける、というものがあるようです。
「地球はレコードキーパー。とくに水晶はそうです。身につけると地球の核や太陽とつながります。クリスタルがこれまで浴びてきたスピリチュアルなエネルギーが注がれます。クリスタルは古代の叡智の目撃者です」
 クレッグさんは、ハーキマークリスタルのペンダントとピアスをつけていました。私もパワーストーンが好きでつい買いすぎてしまうのですが、これからは古代の叡智につながるためと自分に言い訳できそうです。
 セミナー後半に、いよいよ誘導瞑想で古代にトリップする時間がありました。クレッグさんの誘導と、それを瞬時に的確に訳する通訳さんの声で、目を閉じ、雲の中の世界をイメージします。
「雲の上に神殿があるので、階段を登って中に入ってください。扉の前に門番がいるので、ひとこと言って開けてもらいましょう。中には司書がいるので何の本を読んだら良いのか聞いてください」
 空想を手がかりにして、まぶたの裏のビジョンを見つめます。門番に「私は自分自身です」と伝えると、中に入れてもらえました。美人司書に、おすすめの本について聞いたら、隣にユニコーンが出現しました。白い体で、紫っぽいたてがみが見えます。ユニコーンといえばレムリアの動物というのを聞いたことがあるので、レムリアについての本をリクエスト。すると、美しい自然の緑が見えて、川の水がキラキラ輝いています。川は生きている、とその時直感しました。レムリアの円形の建物がちょっと見えたところで、現実に戻ってきました。
 あとで報告タイムになり、ユニコーンが見えたことを報告すると、「ある一定の高い次元になるとユニコーンが現れます。そこまで人が意識を高めていくとふわふわとした感覚になります。視野が開けていきます。地球のエーテル体の次元に入っていくと自然のスピリットとコミュニケーションできます」とクレッグさんはおっしゃいました。
 一瞬でも高い次元に行けたのなら良かったです。しかしその後休憩時間に、知らない参加者の女性と古代の神々や宇宙人の話題になって、「鞍馬山に降り立ったのはアヌンナキ(地球人を遺伝子操作で作ったと言われる宇宙人)ですよね?」とその女性に言われたので、「いえ、金星から鞍馬に降り立ったのはサナート・クマラですよ」と、つい知識をひけらかすスピマウント行為をしてしまいました。私もまだまだだと反省。
 他の参加者の方々も、誘導瞑想でピラミッドを作るビジョンを見たり、古代の僧侶の過去世が見えたり、ネイティブアメリカンが出てきたりしたそうです。さすが意識が高いです。
 2回目の誘導瞑想では、ナスカの地上絵のようなビジョンが見えましたが、睡魔に襲われがちでした。まだ自分に準備ができていないのでしょうか......。
「種を受け取ったら頭で理解しようとせず自分の中に取り込んでください。種に水をやるように自分の中に水をやってください」とクレッグさん。
「みなさんは次のレベルに上がる人としてここに連れてこられたんです」という言葉に志気が上がります。たぶん隣の部屋では、シンクロ的に塾講師が「みなさんは偏差値的に合格するレベルにあります!」と鼓舞していることでしょう。
 最後に、クレッグさんは「サンキューGoogle。みなさんはどんな叡智にもアクセスできます。Googleに聞けば良いのです。そしてAmazonをクリックすれば古代の叡智の本が届きます」と、現代のテクノロジーに丸投げしていて、会場は笑いに包まれました。
 約5時間のセミナーを終え、誘導瞑想で一瞬寝てすっきりして部屋を出ると、受験生の模試が終わるのを待つ父母の方々が、シリアスな表情で待機していました。堅気の人生から随分遠ざかってしまった感が......。ユニコーンが見えたとか言っている場合ではなかったのかもしれません。でも、偏差値より波動を選んだのだから、と自分に言い聞かせ、初冬の渋谷の街をひとり歩いて帰りました。

●レベル
☆☆☆☆
 
●口癖
「インナーチャイルドを抱きしめたら癒されました」
誘導瞑想の最初のステップは、自分のインナーチャイルドを癒す、というパターンが多いです。淋しがっているインナーチャイルドを抱きしめ、愛することで、現実も好転します。


●仲良くなる方法
「私も同じバラの花が出てきました」など、同じものが見えたとアピール。誘導瞑想中、ビジョンが部屋内で伝達するのか、同じものを見る人も結構います。それがきっかけで仲良くなれそうです。


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ホワイトボードに描かれていたイラストは、「今日の精霊」でしょうか。目に霊妙な光が宿っています。

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「瞑想中は観察者になります。そこには執着がありません」と、クレッグさん。「オープンマインドになるとスペースができ古代の叡智が流れ込んできます」など、多くの深遠な言葉をくださいました。

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