呼ばれていくような場所はやはり過去生と関わりがあるのでしょうか。イギリス旅行帰りの女友だちが、過去生にゆかりがあったアーサー王関係のスポットを回ったと話していて、羨望の念を抱きました。世界史に出てくる人と絡んだ過去生があるなんて......。
　過去生について興味を持つようになると、もっと中高時代に日本史と世界史をまじめに勉強しておけばよかったと思います。「室町時代より前の過去生」と言われても、時代の順番をちゃんと覚えていないので実感がわきません。以前、怪しげなスピリチュアルサロンで過去生の鑑定を受けたら、その霊能者の女性は山川出版社の世界史の資料集を参照しながら答えてくれて、「イギリスの産業革命の時代に、肺の病で亡くなった男性です」など、リアルな答えでした。全てのサイキックや霊能者の方が歴史に詳しいとは限らないので、資料集を参考にするのはアリだと思います。
　なかには異様に記憶力が良い方もいます。アニマルコミュニケーターで獣医師の高江洲薫先生は273回もの過去生を覚えていらっしゃると言っていて驚きました。私など先週食べた物や会った人すら覚えていないので、過去生など霧の中です。高江洲先生の著書によると、過去生、貧乏→貴族→貧乏→貴族というループにハマる人は結構いるそうです。貧乏な時は貴族に憧れ、貴族に転生したら怠け癖がついて、次は貧乏に生まれる、という......。私は、今世は多分貧乏な方に入る気がしますが、他にも、「川に浮かぶ舟の中に住んで、歌いながら縫い物をしていたフランス人女性」（ウィリアム・レーネンさんによる鑑定）とか、「ヨーロッパの孤児で妹のために盗みを働いていた」（沖縄の霊能者談）というようなものがあり、ディテールが細かくて説得力がありました。
　いっぽうセレブ系では、「クレオパトラ6世」（有名なクレオパトラは7世で、クレオパトラは複数いたことをはじて知りました）、皇族から尼僧になった女性（角田みゆきさんによる鑑定。桜まつりにお忍びで行くのが好きだったそうです）、中世の錬金術師で最後は雷に打たれて死亡（誘導瞑想にて見たビジョン）、プレアデスの王族（グレゴリー・サリバン氏の鑑定。王族で、しかも6次元）など。現実の自分が庶民なので、セレブな過去生について知ると少しテンションが上がります。ただ、過去の栄光には囚われないようにしたいです。実際のところ本当かわからないですし、たまに、えっ? と思う過去生を自称している方も。例えば、「過去生、天照大神だった」とか、「インドの神話の絵に過去生の自分がいた」とか。あとは最近、超常現象系のイベントに参加されていたダウンジャケットを着たおじさんが、「過去生は空海」とか言っていて、空海ファンの私としてはさすがにそれはどうかと思いました。顔はちょっと似ていたかもしれませんが......。目の前で水を湧き出させてくれたりしたら信じたかもしれません。顔が似ているといえば、習近平の過去生がフビライ・ハンという説もあり、激似なので妙に信憑性あります。遺伝子とは違いますが、顔が似ている場合もあるようですね。
　セレブ系過去生はある意味、言ったもん勝ちの世界なので、あやしい詐称系の人も混じっていますが、なかには当時のことをやたら知っていて、本物かも、と思える人もいます。過去生、超セレブで、今はマニアックな音楽制作をされているマグロジュースさんという20代の青年のツイッターとブログを、このところ興味深く熟読していました。「平安時代お坊さんをやっていた記憶」が、自殺未遂した時に蘇ったそうです。生まれは京都で、結婚した後奥さんが亡くなり出家。お寺では稚児と恋愛に明け暮れていたそうです。肖像画やお墓が現代に残っていて、楽器を弾いたり歌を詠んだり馬に乗っていたり、藤原道長と親しいようだったり、かなり身分が高い有名人の過去生だと推察されました。ネットでも誰かと推測する人もいて、私は日本史に不勉強でわからなかったのですが、どうやら花山天皇らしいという説が浮上。ご本人もその後ブログなどで明記されています。平安時代は実際おかめ顔女子がモテていたとか、安倍晴明はイケメンではなく普通のおじさんだったとか、平安仏教はクリエイティブだったとか、お寺は稚児パラダイスで稚児は生脚を出して髪にリボンを巻いていたとか、当時もヨーグルトみたいな食べ物があった、といった生の情報が発信されていてワクワクしました。歴史の教科書よりも色鮮やかに当時の情景が浮かびます。過去生は何の確証もない世界ですが、マグロジュースさんは過去に、「ニコニコ動画の迷走」について雅な短歌を詠んでいたりして、結構信憑性があります。
　ちょっと前に、また別の超セレブが過去生という女性に会いました。グレゴリー・サリバンさんの宇宙人に関するスピリチュアルなライブイベントだったのですが、出演していたSWANさんという、宇宙からのチャネリングの波動で歌う美人歌手の過去生を聞いて驚きました。なんとマリリン・モンローだそうです。グレゴリーさんも「80％、マリリンが入ってる」と太鼓判を押していました。歴史に名を残した人物の場合、100％誰かに転生するのではなく、分霊という形で複数の人に転生する場合があるようです。分骨......みたいなものでしょうか。SWANさんはある時、マリリンの写真を見てフラッシュバックして、息が苦しくなったそうです。どうやら暗殺された記憶が蘇ったとか......。JFKづてに宇宙人についての極秘事項を知ってしまったことで消されてしまったそうです。
　「寝る時はシャネルNO.5をつけてますか?」と聞いたら「香水は好きだけど、シャネルNO.5はつけてません」とのことでした。辛いこともフラッシュバックしてしまうからでしょうか......。
　SWANさんは肉感的でグラマラス。かすれたセクシーな声はマリリンを彷彿とさせました。そしてそのイベントの日、誕生日だったグレゴリーさんに「ハッピーバースデートゥーユー」と歌う姿は、マリリンがJFKに同じ歌を歌ったシーンを思い起こさせ、鳥肌が立ちました。腰を振ったり、両手を挙げてポージングされたり、セクシーなポーズが決まっていて、過去生から受け継いだフェロモンを感じさせました。
　ちなみに、私は尼僧以外にも修道女の過去生があると言われていて、今世の色気不足や、枯れている感、禁欲傾向は納得です。このまま行くときっと来世も......。マリリン成分1％でも注入するにはどうしたら良いのでしょうか? ゲームのように、たまった人徳ポイントで、憧れの人や好きな人の過去生を何％か購入できる仕様があれば良いのですが......そんなことを考えていたらまた俗世の庶民に落とされそうです。
　
●レベル
☆☆☆☆
●口癖
「過去生の自分を救出しに行きます」
スピリチュアル度が進むと、過去生の自分の魂のかけらを集めるため、各国に旅をしたりします。なかにはお墓を探し出してお参りする人も......。かなり充実感が得られそうな旅行です。

●仲良くなる方法
「過去生で絶対会ってる気がする」というベタなセリフで距離が縮まります。ただ異性が相手だとナンパだと誤解されかねません。