第13回 神社の霊験

 気分と運気をあげてくれるパワースポット、神社。前回、ヤバい神社についての記事を書いてからしばらく体調不良に見舞われていたので、何かの障りかもしれないと思い、今回は神社のすばらしさや、お参りの時のポイントなどを書かせていただければと思います。神社の神様、失礼いたしました。
 世の中には、神社で神様の声を聞けたり話せたり、姿が見えたり、不思議な存在が見える、という方がたまにいらっしゃいます。先日も、知人の女性編集者がこんな話をしてくださいました。
「この前、霊感が強い友人と一緒に、夜に秩父の三峰神社に行ったら、オオカミを見たんです!」
「えっ? オオカミって......日本では絶滅していますよね。でも、そういえば三峰神社の神様のお使いはオオカミ......」
「ちょうど夜に参道がライトアップされている時期だったんですが、参道を歩いていたらガサゴソ生け垣から音がして、見たら真っ白のオオカミが2頭いたんです! 結構近い距離で見ました。普通に恐怖を感じました。食われるんじゃないのか、って......」
「すごい体験ですね」
 秩父からバスで1時間以上かかる山奥の三峰神社に夜に行くということだけでも勇気があります。
「シベリアンハスキーどころじゃないサイズ感でした。その後、遠吠えが聞こえました」
「それは神社に歓迎されているということでは? うらやましいです」
 三峰神社は関東圏でもかなり強力な霊験スポット。こちらでは「御眷属拝借(ごけんぞくはいしゃく)」といって、オオカミを御神札として1年間拝借し、守護してもらうことができます。その女性の話を聞くと、本当に白いオオカミがいるみたいで、三峰神社への畏怖の念が高まります。
 昨年、秩父周辺を取材した時に三峰神社にも立ち寄ったのですが、標高が高くなるにつれ、空気が厳かにはりつめてゆきました。本殿に参拝しながら目を閉じていたら鳳凰のような翼のビジョンが見えました。続いて隣の社にお賽銭を投げ入れたら、なぜかお賽銭が跳ね返ってきたのですが、これは何かの警告かもしれないと恐縮。意識の高い人はさらに1時間かけて険しい山道を登山して奥宮に参拝するそうですが、私は体力・気力的に本殿周辺にしか行けませんでした。境内はどこもすばらしくて、樹齢800年のご神木が2本植わっていたので、近づいて手を当てると、ご神木と一緒に地球の自転を体感しているような不思議な感覚がありました。白いオオカミ目撃体験には及びませんが、少しでも神気を感じられたことが嬉しいです。
 神社では、あまり自分のお願いをしない方が良い、とも言われています。先日、お参りをしたあと、小学生くらいの少年が「何もお願いしなかった~」と言っていて、無心で神に愛されるピュアさに感じ入りました。現世利益に強い神社や道教のお宮などでは、詳細に相談をしても良いようですが、神社では基本、自己紹介と感謝するくらいにとどめるのが開運につながると、いろいろなスピリチュアル系の人が言っています。神様の方からメッセージが来たら、ありがたく受け止める感じでしょうか。つい忘れがちですが、祀られている神様がどなたかもあらかじめ調べておくのが礼儀だそうです。
 以前、神社などで神様とコミュニケーションできる稀有な女性、桜井識子さんを取材させていただいたことがあります(「ブルータス」開運特集)。不肖私も神様と会話できるようになりたいのですが、どうしたら......と伺ったら、「やっぱり修行ですかね」というお答えでした。日々こつこつと、神社仏閣や聖域に参拝するのも修行の一環。富士山などの高い山に登ると、一気に修行マイレージがたまるそうです。神仏からのメッセージは言葉の塊で来るので、脳内で変換するとおっしゃっていました。データが神形式に圧縮されているのでしょう。
 桜井さんとは、江島神社にご一緒しました。道中、海辺の岸壁に白い蛇がたくさんいるというのを霊視されていました。こちらの神社には龍神がいらっしゃるそうです。体が太くて緑色で力のある龍神。最後、神社をあとにする時に一瞬飛んできて見送ってくださったとのこと。私は何も見えなかったのですが、それでも神様からのメッセージを受け取ることはできるそうです。例えば、岩の間に黄色い花が咲いているのが目に入ってきたのですが、「ああいうものに気付くことが神仏に歓迎されているサインです」だそうです。チョウやトンボ、きれいな色のトカゲなど、珍しい虫や小動物が寄ってくるのもサインだとか。江島神社では、猫が木の上にいる姿も発見。これも神様のサインだと聞いて嬉しくなりました。動物の種類によってメッセージの意味が違っているのでしょうか。例えばムカデやガが現れたら微妙な気分になりそうです。そして江島神社では、花とか猫と遭遇しましたが、気付いたらブレスレットが切れていたのが不吉な感じでした。メッセージ過敏症にならないよう気を付けたいです。また、おみくじにも神様のメッセージが込められているとか。最近引いたおみくじに「決して色に溺れ不義の行いをしないで正しく一心に辛抱するがよいです」と全く身に覚えのない戒めが書かれていましたが、気を付けたいです。
 神様のサインの話を聞いてから、神社で周囲をよく見るようになりました。名古屋に仕事で行き、熱田神宮にお参りした時は、境内に足を踏み入れたとたん、目の前にニワトリが現れて驚きました。よく肥えた大きな白いニワトリ。目の前を「グーグルルル」とつぶやきながら歩いていました。しばらくニワトリのあとをついていきました。これも歓迎してもらっているのでしょうか。その後、お昼に境内できしめんを食べたのですが、唐揚げを買うことはさすがに自粛しました。肉を控えめにして心身を清めるように、という神様のメッセージを拝受。神の使いとされる神鶏ですが、熱田神宮のニワトリはいつの間にか住み着いていたそうで不思議です。
 先日は長野に出張の折、地元のパワースポット、四柱神社に参拝しました。健康長寿、商売繁盛、良縁などの霊験があるそうです。こちらの境内には鳩の大群がいて、地面と神社の屋根をバーッと飛び交っていて、鳩の渦に巻き込まれそうでした。鳩も何かのメッセージなのでしょうか。やはり平和とか......。鳩のはばたき音が耳元でして、浄化されるような気もしました。
 箱根神社では、変わった動物というより、インスタグラマーっぽい人がたくさんいました。湖上にある平和の鳥居が写真映えするので人気らしいです。長い階段を若者たちが「下に降りたほうが"映え"するよね」とか言いながら軽快に下りてゆきました。こちらは箱根神社の参拝ですでに脚がガクガクだというのに......。階段を恐れてしまうのはまだ修行が足りないのかもしれません。
 神社仏閣に行くと、やはりどこでも階段責めというか、聖域に入るためには何らかの試練が課されます。周囲の現象やメッセージに気付くためには、体力や気持ちの余裕が必要です。足腰を鍛え、神様のメッセージがいつでも受信できるようにスタンバイしていることを心がけます。神様が何かを伝えているのに気付かない、未読スルーだけは避けたいです......。
 
●レベル
☆☆☆

●口癖
「ここにはいないですね」
神様が今神社にいるかいないかを察知できるのがスピリチュアル上級者。交番じゃないんだから、という気もしますが......。
●仲良くなる方法
結界に入ったら空気が違う! と、空気の変化に盛り上がる。敏感な人は誰よりも早く土地のエネルギーに気付かないとなりません。山奥は普通に空気が澄んでいますが、それだけではない何かがあるようです。

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四柱神社の鳩の大群。平和や幸せの象徴だと思うとありがたいです。


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