第25回 魔女の年齢に近づいてきたので魔法を実践

「少女は14歳で大人の女になり、大人の女は44歳でメディスンウーマンになります」

 以前、セドナのヒーラー、クレッグ・ジュンジュラス氏がおっしゃっていた印象的な言葉です。そろそろ私もメディスンウーマンになりつつある時期なのかもしれません。

 メディスンウーマンとは、自然と調和し、薬草などの知識を持ち、本能的に、直感的に生きている存在。時代や地域によっては、シャーマンや巫女、カリスマ修道女、魔女と称されていたのでしょう。女性の生き方の一つとして指針になります。日本の保険制度が頼りにならないので、ハーブやアロマで健康を保ちたいと思っている女性も(自分を含め)少なくないのではないでしょうか。

 スピリチュアル系の女性は魔女というワードに惹かれる人が多いです。過去生で魔女だったと言われて思い当たる人も。不肖私も、沖縄の霊能者に「火あぶりにされた魔女」という過去生を言われたことがあります。いったい過去生がいくつあるんだという話ですが、その霊能者には他にも「ヴェネチアの牛乳売りの家に養子にもらわれ酷使された少年」「東欧の孤児で、孤児院に入るまで盗みを働いていた少年」という不遇な過去生を言い渡されました。火あぶりも相当キツいですが......。そのせいか今も火が苦手です。

 魔女にシンパシーを感じたり、憧れを抱いているいっぽうで、恐れの気持ちもあります。『魔女幻想』(度会好一著/中公新書)には、呪いで家畜を殺したり、作物に被害をもたらしたり、子どもを病気にしたり、男性を不能にしたりといった、中世の魔女たちの戦慄の行状が書かれていました。魔女の多くは高齢者の女性で、近所の人に何か頼みごとをしたら断られ、呪いの言葉や悪態をついたら、その近所の家に不幸が起こったので魔女呼ばわり、というパターンが多かったようです。そのようなことは現代にも普通にありそうです。パーティーの席で、自分をおざなりにした友人への怒りを露(あらわ)にしている人などを見たことがあり、昔話に出てくる魔女を連想しました。「いばら姫」の物語には、パーティに招待されなかった恨みで「糸紡ぎ機に刺されて死ぬ」と呪いを発動した魔女が出てきます。もしかしたら私も、人のインスタを見て、招待されていないパーティに気付いた時、負の念を抱いて若干魔女と化してしまっていたかもしれません。家族全員難病に苦しむ人が過去生を見てもらったら、お世話になった魔女をパーティに呼ばなかったことが原因だったと言われた、と聞いたことがあります。映画「美女と野獣」を観たときも思いましたが、魔女は丁重に扱わないと大変なことになります。現代もときどき魔女を名乗っている人がいますが、知人が親しかった魔女は何かあるとすぐ呪ったり、不倫相手に奥さんとの子どもができないように黒魔術をかけていたそうです。魔法はポジティブに使ってほしいです。魔女の人が発している波動だったり、その雰囲気でも、ある程度、白魔女なのか黒魔女なのか察せられます。以前お会いした魔女は顔色が灰緑色に見えて、ネガティブなエネルギーを感じさせました。『魔女幻想』によると中世の白魔女は、物知りで薬草の知識と呪術で人を癒し、運勢を占ったりしていたそうです。ただ白魔女も黒魔女も悪魔に力を借りるのは同じで、代償で犠牲になる動物がいたり、災いを他の人に転移させたり、何かの拍子で白が黒に転じることもあるとか。害悪をなさず、犠牲を出さずに善をなす魔女は「善魔女」と呼ばれています。現代の魔女の本を読んでいたら、呼び出す神々の中にさらっと「サターン」と書かれていて、やはり悪魔と関係はあるようです。

 海外の魔女、とりわけ南半球の魔女はポジティブで明るいエネルギーに満ちているように感じられます。善魔女と名乗っているルーシー・キャべンディッシュさんの来日セミナーに参加したことがあります。自然体なのに年齢不詳でフレンドリーな美女でした。「白魔術は生命を活性化させます」とおっしゃっていました。魔術入門のガイダンス的なセミナーで、「道具は魔術の一部」とルーシーさん。使うものは、天使を象徴する白い羽根、キャンドル、クリスタル、ワンド(魔法の杖)、コルドロンと呼ばれる神聖な大釜、エネルギーを浄化するのにも使えるほうき、エネルギーコードを断ち切ったりするのに使う三種類のナイフ、特別な魔法の時に身につけるローブ(ガウン)や三角棒など......。さらに魔術によってクリスタルやハーブなどがその都度必要になってきます。魔女になるには初期費用もけっこうかかります。『神聖な自分と出会う魔女入門』(穴口恵子著/きずな出版)には、ワンド(魔法の杖)やクリスタル、アロマやハーブなどが紹介されていました。忘れてはならないのが樹木の枝などでできている魔法の杖で、大地に五芒星(ごぼうせい)を描き、地球の元素を呼び覚ますそうです。五芒星については『実録 わたしの魔女修行』(木丸みさき著/イースト・プレス)にも漫画で詳しく描かれていました。古代から重要なシンボルとして使われていたそうで、地球の元素を表しつつ形状的にも安定しているようです。

 ところで杖やら羽根やらどこで入手すればいいのでしょう。ネットで買えば早いかもしれませんが、自分の目で確かめて波動などをチェックしたいところです。先日出張で訪れたメルボルンに、ちょうど魔術グッズの店がありました。ロイヤルアーケードの中に佇む「SPELLBOX」という素敵なお店。限られた滞在の間、2回も訪れてしまいました。中世っぽい内装で、キャンドルやクリスタル、ワンド、魔術書やアクセサリーがたくさん並んでいてテンションが上がります。客足が途絶えず、人気のお店のようです。店員の魔女っぽい女性に念のため「善魔女ですよね?」と聞いたら「No bad, No bad, good!」とのことでした。最初行った時は雰囲気にのまれてしまい何も買えませんでしたが、2回目に訪問した時、白い羽根(調べたら白オウムの羽根でした)と、ハーブ、魔法セットなどを購入。店内にはまるで料理の具材セットのように「Love」とか「Wisdom」「Prosperity」「Fairy Magic」といった魅力的なキットが並んでいました。だいたい3000円前後です。その中で「Wisdom」セットを購入。中にはキャンドル、クリスタルおそらくアメジスト、クリスタルを入れる袋、アロマオイルなどが入っていました。

 帰国して、さっそく魔法に挑戦してみました。説明文は英語で、細かいところは解読できなかったのですが、ろうそくに炎をともし、アロマをたらした天然石を9回、その炎にかざします。その石を小袋に入れて9日間持ち歩くと、Wisdom(知恵)がもたらされるそうです。最後、息を吹きかけてキャンドルの炎を消そうとしたら、息の圧でキャンドルが倒れてしまい危なかったです。火あぶりのトラウマがフラッシュバック。

 魔法の手順のとおりクリスタルを持ち歩いていたら、体が不気味な感じでゾワゾワする感覚がありました。魔法が効いているのでしょうか。知恵に関しては、人と会話する時たしかにいつもより知恵というか知識が出てきたような気が。しかも相手にかぶせ気味に「お稲荷さんには神道と仏教の系統があります」とか「東寺展に空海が最澄に送った手紙があって......」などとアピールしてしまい、微妙な空気に。魔法の効果で知識を主張するキャラに......? ビギナーズラックで効きが良かったみたいですが、人格が変わりそうだったのでクリスタルはしばらく封印いたします。

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SPELLBOX」では毎週占星術やタロット、魔術、瞑想などのワークショップが開催されているそうです。近所だったら通ってしまいます。


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願いごと別に並んだ魔法キット。数千円で願いが叶うなら安いものかもしれません。さり気なくホウキも売られています。

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購入した魔法グッズ。羽根は特別なアイテムらしく丁寧に包装してくださいました。どうやって使えばいいかわかりませんが、自分の体を浄化したりしています。


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Wisdom」の魔法を実践中。ふだんキャンドルに炎をつけるなんてなかなかないので火気に緊張。


レベル ★★★★

●口癖 「苦手な人や嫌いな人が、気付いたらいなくなってるの」

過去生が魔女で念力が強い女子が言いがちなセリフ。自分にイヤなことをすると災いが起こる、と暗に牽制しているようでもあります。


仲良くなる方法 正しい書き順まず上から左下へで五芒星を書いてみせれば、この人わかってる、と思わせることができて距離が縮まります。