2015年6月1日~30日

 6月1日

 ゴールデン街での一日のギャラで、なんとか携帯復活。

 

 6月3日

 突然、朝から名古屋へ。酔っぱらいの女性二人を率いての新幹線。

 名古屋駅に着くなり、雨。駅近くで朝飯食べようと、先に名古屋入りしていた川瀬陽太さんにオススメの店を紹介してもらう。

地下のコーヒー&サンドイッチの店「コンパル」へ。朝から多すぎる種類のサンドイッチに惑わされる。エビフライサンドなど、名古屋らしい。アイスコーヒーの独特な淹れ方にも感心。

川瀬さんと合流し、某女性映画編集者の向かう撮影現場に同行。

田中要次さんが監督する短編の撮影で、出演者である中村達也さんに久々会う。当然、「何でここに?」と驚く。スティーヴエトウさんとのドラム合戦のシーンらしい。

撮影が始まる寸前に、現場近所の健康ランドへ。サウナと温泉を満喫。

某女性映画編集者を現場に残し、某女性編集者と「あつた蓬莱軒」のあるデパートで、櫃まぶしを食う。

 某女性編集者と共に、京都へ移動。

 大好きな「赤垣屋」に行くが、これで3回連続満席で入店できず...。

 東野祥子さんと、Bingさん夫妻のオープン前のレコード屋へ、ちょっとだけ訪問。

 友人のBayonくんと交えて先斗町で牛カツを食い、あまりに薄暗いバーに寄り、某女性編集者はホテルへ帰り、その後は居酒屋でシロー・ザ・グッドマンに再会。高瀬川に向かって、二人で立ちション。

 Bayonくんと適当な店(でもうまかった)でラーメン食って、ひとり歩きでホテルへ。

 四条から駅近くまで歩くが、結構遠い。途中iPhoneの電源が切れるが、とりあえず何とか到着。

 

 6月5日

 イベント疲れで死んだ。

 

 6月7日

 夜、落合soupCut Handsのライブを、前半だけ。思っていたよりもよかったが、会場の暑さに負けて退散。

 

 6月9日

 夕方まで仕事。

 夜は青山のブルーノートでアート・リンゼイのライブ。ワイン飲みすぎて、ライブがよかったことしか覚えていない。

 

 6月11日

 渋谷ヒューマントラストにてライアン・ゴズリング『ロスト・リバー』を観る。俳優の撮る映画に興味あるので、特に好きな役者じゃなくても、つい。ハーモニー・コリン風の前半はともかく、リンチ丸出しの後半はかなりキツかった。バーバラ・スティールは、殆ど置物状態。

 そのあと『THE COCKPIT』をユーロスペースで。昨晩のイベントですれ違った人たちが出てきて、不思議な感じ。楽しい。MPCでまた曲作りしたくなったが、こないだ売却したばかり...。

 クリストファー・リーとオーネット・コールマンの死を知る。

 

 6月13日

 Dreampv$herRyoくんがPanのリキッドルームのイベントでライブをするというので、多分車を出すと予感して、4日のスーパーデラックスに置き去りにした機材の回収を手伝ってもらう。

 スーパーデラックスに着くと、小山田さんがいて、他にもバッファロー・ドーターの大野さんが演奏していて...状況がよくわからないまま、ライブに参加。高木完さんとEMSで、あとからウィルコの人とノイズセッションした。そのあと、リキッドルームに行ったら、Bill Kouligasに声をかけられ、以前イギリス行った際、ヒースローに迎えに来てくれたのが彼だと判明。あとで調べたら、Facebookでも繋がっていた...。

 

  6月15日

 何故か友人の友人である、外交官夫妻と新宿の居酒屋で飲み。完全なる安倍シンパの人たちなので、いろいろ気を遣う。奢ってくれる、いい人たちではあったのだが。

 

 6月17

 アテネ・フランセでファスビンダーの『ホワイティ』、『ニクラスハウゼンの旅』、『アメリカの兵隊』の3本を観る。『ニクラスハウゼンの旅』初見。ラストの戦闘シーンが面白い。ノワール調の『アメリカの兵隊』のロバート・ロンゴが影響受けたラストシーンは何度観ても凄い。カール・シャイトの死体と延々スローモーションで転げ回るクルト・ラープに唖然。

 終わって渋谷のヒューマントラストシネマで何故か『イニシエーション・ラブ』を観る。だからなんなの?と聞かずにはおれない、しょーもないラスト。たまにはこういうヒドい日本映画も観るべきなのかもしれないが...木村文乃だけは、(単なる女性の好みの問題で)本当によかったけど。そもそもカセットテープに物語をAB面に分けることに何の意味が? そして松田翔太のパートであるB面が当然のように長いのも、何だか不自然。

 しかし、ファスビンダーの上映では結構何度もウトウトしてたのに、こういう堤幸彦のどーでもいい映画は寝ないでちゃんと起きてる自分に、自己嫌悪。

 

 6月19日

 夕方からDAISUKE TAMURAさんの個展でトーク。久しぶりに元リトルモアの中西さんと会う。TAMURAさんの写真も面白いので、長々と話す。

 夜、新宿ピカデリーで『マッドマックス』のオールナイト。1作目、2作目、飛んで最新作を上映。こうしてまとめて観ると、どれも時代や予算もあってか、それぞれなかなか違う趣きの作品に仕上がっている...というか、最新作のアップデートぶりには目をみはった。だが、やはりトム・ハーディ(わりと好きな役者だが)のマックスにはちょっと無理があるな、と思わんでもない。ガタイが良すぎ、という以前にニヒルな感じがあんまりないからなのか。作品自体はぜんぜん悪くないのだけれど。

 

 6月21日

 一日中在宅か、と考えていたが深夜、エクサピーコというバンドのドラムで、「ダーリン」で働いていた可南子さんが二丁目の「星男」で飲んでいるというので、深夜に行く。

店のムネくんとは以前からの友達だが、初めて訪れる。今晩はヴィヴィアン佐藤さんがバーテンの日で、いろいろ食べ物をくれた。

 

 6月23日

 飯田橋にて『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』試写。ポール・ダノはいいとしても、ジョン・キューザックのブライアン・ウィルソンには誰しも違和感を覚えるだろう。それは仕方ない(?)として、"Pet Sounds"の曲のなんらかの楽器のフレーズが、録音風景で流れた途端、涙が止まらない人間にとって、これは無条件に堪らない作品。想像以上にダークなブライアンの内面...耳から深層に入り込むというリンチ的悪夢を、フラッシュバックで悪酔い起こしそうな音響で盛り立てる。これも爆音で観たい。

 試写室を出ると、先日初めてお会いした洞口依子さんが文春編集者といたので、文春近くのAUX BACCHANALESに移動してお茶。洞口さん運転の車に乗せていただく。

 "Pet Sounds"録音シーンでの360°パンが『ワン・プラス・ワン』の引用であったことで和む。編集者の仕事がまだ残っているというのでお開き。帰りも洞口さんの車に乗せていただいて、次の用事がある幡ヶ谷まで送っていただく。去年、仕事でお世話になった旦那さんなど、共通の知人が多いにもかかわらず、先日が初対面という巡り合わせ。これからも試写で会ったらお茶しましょう、と車から降りる際、親切に言ってくださった。感激。この人には一生ついていこうと思った...迷惑だろうけど。

 幡ヶ谷のロスアプソンで行商し、新宿に出る。

 新宿では、ロカペニスくんと来月二人でライブとVJのイベントを、アップリンクファクトリーでやるので打ち合わせ。前回一緒にスーパーデラックスでやった誕生会でも、僕がiPhoneで作った映像素材を使ってVJしてもらったが、今回はさらに素材を加える予定。そのあと、ゴールデン街「ハニー」へ。カラオケ唄いまくる。

 

  6月25日

 深夜に近所のマックに行って仕事をしようと思うが、行ってみたら閉まっていた。仕方なく電気の明るい野外の広場に。そこで伊藤計劃の『虐殺器官』をやっと読了。何度もトライしてぜんぜん読めず、3回同じ本買って(今回は新版だが)、やっと読めた。

 

 6月27日

 夕方から洋泉社田野辺さんと、近所の居酒屋で打ち合わせ。

 夜は池袋の新文芸座で、オーストラリア(で撮影された)映画特集。『ピクニック at ハンギングロック』『美しき冒険旅行』『荒野の千鳥足』『パリを食べた車』の四本立て。『ピクニック〜』を観るのは日本公開以来だが、やっぱり記憶通り前半しか面白くない。『美しき〜』は何度も観ているが、ジェニー・アガターはホントにいい。初めて見る『〜千鳥足』。テッド・コッチェフだからと(あっ、『バーニーズ』があったなあ)舐めていたが、これは凄い作品だった。暴力的なのは狩りのシーンだけで、あとは親切な人たちばかり...だが、とても嫌な映画。よくこんなん撮ったな。『パリを食べた車』は...なんなんだろうな。

 6時頃終わって、新宿で降りてゴールデン街にちょっと顔を出す。松岡錠司監督の話を聞く。

 

 6月29日

 四谷図書館の1階にあるリサイクルショップが、なかなかの穴場でよかったのだが...久々に行ったら文庫本コーナーが思い切り縮小されていて、つまらなくなっていた。

以前は一冊10円から50円程度で、創元のハドリー・チェイスが揃った。ミステリーやSFがやたらとあった。コジンスキーの『異端の鳥』の文庫本版も、数十円で買ったはず...人にあげたけど。

今日行ったらハイラインの『愛に時間を』の2巻目だけ、とかウォルター・ヒルの『ダブル・ボーダー』のノベライズがあるだけで、あとは有効期限切れの実用書が数冊あるのみ。その中から東京経済大学編の『コミュニケーション小辞典』という1995年発行の、実に情報の古い小冊子(非売品)をレジに持って行った。ついでに森永のキャラメルが、同じ棚にあったのでそれも買おうとしたら、小冊子はタダだった。当然だといえば当然だよな。

 

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